まばたき

その名の通り

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その答えが出るまで私の胸中は複雑な思いでした。
誘ったものはいいもの、、
私達の望んでいる答えがでるかどうかはわからなかったからです。
おふくろからは、勇のおかあさんの気持ちも聞いていました。
勇のおかあさんの気持ちは誰の母親でもそうであるように、
勇の気持ちが一番でした。
勇がそうしたいのであれば、そうさせてあげたい。
すべては勇にゆだねられていました。
そして、勇の答えは、、、
『梅田に通えるのなら、通いたい』
それからは、池田先生とうちのおふくろと
勇のおかあさんと3組のPTAの皆さんと
沢山の大人達のやりとりが始まりました。
こうして書いていると、どこでどうなって、どんな話し合いが行われて
そこへ至ったのか定かではありませんが、
勇はめでたく、我が梅田小学校へ返り咲く事になったのです。
私たちの救世主として、、、。
誰がどんな手続きをしたのか、わかりません。
もう何十年も昔の事です。
今度いつか、、あの頃の皆にあった時、
この話を蒸し返してみたい。
そんな気持ちです。なんにせよ、、、
勇は家から大井町まで歩いて、田園都市線に乗って、
中延で乗り換え、地下鉄で西馬込まで、、
かって住み慣れた街の小学校まで遠路はるばる通う事を
選んでくれたのです。
そして、転校した時の2組ではなく、
我が、5年3組の一員として、、、、。
私の記憶が定かならば、、この話が決まったのは
確かこんな寒い夜だったような気がします。
私とおふくろは二人で勇の家から大井町駅までの
道すがら、『寒いね、、でも、、よかったね、、。』
そんな事を話ながら歩いていたような気がします。
そしておふくろは私にこんな事を訪ねました。
『もしも、あんたが、勇君の立場で、勇君に転校してきてって
 頼まれたらどうしてた?』
『、、、、、、、、、、、』
いつも意地悪な質問をする母親だ、、、。
京浜東北線の線路を眼下に眺めながら
僕だったら、、どうしただろう、、。
とその時の私は考えこんでしまいました。
それは言葉にはにならず、、。
おふくろが、、『勇君は勇気があるね。』
そういいました。
『そうだね、、、、。』
ポケットに両方の手を入れて歩いていた私の
頬に冷たいものが当たりました。
『あれ?雪ふってきたよ。』
『あんた、、ポケットに手いれて歩くなって
 何度いったらわかるんだい!』
『だって、、寒いんだもん』
『ポケットに両手いれててころんだら、大けがするんだよ。』
、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
その日、降った雪は大雪になり、次の日の朝は
まるで景色が変わっていました。
窓をあけると、キラキラと輝く白銀の世界が広がっていました。
まだ、誰も足跡をつけていないそこを私はゆくっり歩きました。
『よかった、、。よかった、、。ありがとう、、。』
ポケットに手をつっこみながら、、、、、、、、。
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by mabatakishot | 2008-01-21 02:33 | in the room