まばたき

ここにある、遙か彼方

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せっかくの先生の好意を無にした私に、
"卒業"というお許しがだされたのは、その日から
1週間程たってからの事でした。
卒業式を間近に控えたある日、また私は
職員室に呼ばれたのです。
そして、私は先生から意外な言葉を聞いたのです。

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私:先生、、なんで俺、卒業できるようになったんですか?
先生:そうだな、、出席日数は足りてないし、成績も
        酷い、進路もきまってない。まあ、、なんというか、、
私: ???
先生:尾添先生にお礼をいってこい、、尾添先生が、お前の
        赤点 三つも減らしてくれたぞ、、、
私:   ?、、、、はい、、、。

尾添先生とは、私の担任になった事はこの3年間なかったのですが、、
私に現代国語や、古文、漢文などを教えてくれた女の先生である。
現代国語はかろうじてなんとか、、だが、古文、漢文など、
はっきりいって、あの外国語の世界にはもうまったくもって
ついていけず、赤点のオンパレードだったのだ。
卒業式を明日に控えた、その日、私は尾添先生を
職員室に訪ねた。

私:先生、、3年間お世話になりました。
尾添さん:おう、、、(女なのに、、なんでか、男言葉)
私:あの、、ありがとうございます。
尾添さん:なにが、、、
私:石川先生(担任)からききました。
     俺が卒業できる事になったのは、尾添先生のおかげだって、、
     本当は赤点なのに、赤点減らしてくれたって、、、
      ありがとうございます。
尾添さん:(ちょっと、にこっとして)
             ああそうだよ、、ちょっとインチキしちゃったよ。
私:でも、、なんで、、
尾添さん:お前みたいなのが、この学校にいるとな、
             この学校の為にヨロシクない!!
             だから卒業してもらう事にした。
私:、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
尾添さん:お前、、俳優になりたいんだろ。
私:あっ、、、ハイ、、。
尾添さん:応援するぞ。
私:、、、、、、、、、。
尾添さん:わたしゃ、応援するよ。早く有名になって
             サインでもくれ。
私:、、、、、はい。

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なんとも言えず、嬉しかった。
色々な事が蘇ってきた。
尾添先生は、私が授業中昼寝をしていても、
『寝ててもいいことないぞ〜』などと私をいじりだす。
『お前、昨日の夜なにしてた? あたしだって眠いんだよ』
と笑顔で私をまるめこんでいった。
尾添さんの授業はキライじゃなかった。
というより、一番スキだった。
それは、現代国語や、古文、漢文がスキなのではなく、
尾添さんがスキだったのかもしれない。

何日かに渡って書きました。
私の高校3年生日記。
約半年間の事なので、思い出せる事を
端的に書いてみました。
なぜ今、こんな事を急に書き出したのか、
自分でもよくわかりません。
この夏、仕事で高校生が出演するイベントに
携わって、自分のあの頃をふと思い出したから
なのかもしれません。私は高校を卒業してから、
演劇を志しました。でも今の私はあの時思った、
俳優ではないのです。
(この事はここで書くには恥ずかしすぎて、
書けません。おもしろ、おかしく書けと言われれば、
書けそうな気もしますが、、、。)
いつしか、俳優を目指し、なにかが歪んでゆく
時間を過ごし、ものを創る楽しさ、大変さを
しり、自分で脚本を書き、演出しようと思い、
断念をしました。それが今回のタイトル、
『ここにある、遙か彼方』です。
これは今まで、誰にもいえずに私の心の中に
閉まっておいた言葉です。
なぜ今、ここでこの言葉を書いたのか、私にも
わかりません。
冒頭のセリフはこんなです、、。
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『空ばかり見ていた、、、。』
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by mabatakishot | 2007-09-09 03:36 | under the sky