まばたき

なぜ暖々であって暖々でないのか?

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国道15号と環状7号線が交差する交差点。
最寄りの駅には京浜急行平和島駅。
15号線を品川方面から横浜方面へ向けて環七との交差点から
400M程南下すると国道沿いに『暖々』というラーメン屋がある。
そこは僕の『不思議なお気に入り店』だったのだ。
だったと書いたのには訳がある。
この店を知ってもう3年ほどになるだろうか?
夜中リハーサル終わりで駆け込んだのが最初だった。
店の壁にはこんな張り紙があった。
『最低3回たべてください。本当のおいしさがわかります。』
ふ〜ん、、。店内は人がいっぱいでカウンター席にすわってたべるまでに
けっこうまたねばならなかった。僕はいすに座って待っていたのだが、、
なんか変なのである。なんか、、変、、。
何が変なんだろうかと思ってもう一度店内をよくみると、、
ある事に気がついた。、、、それは、、ここでラーメンを食べている人、
待っている人、、。『全然、、喋らないのである。』
誰一人として喋らない、、、。
店には余計な音がしていないのである。大きな音がしていないといった方が
いいのだろうか?誰も喋らない、、。
誰も喋らない、、すなわち、、誰もしゃべらないから、、喋れないのである。
そしてこれは何回か行ってみて気がついた事なのだが、それはマスターが
無口だからなのである。マスターは余計な事は本当にいっさい喋らない。
余計な事を喋らないだけではない、、。ラーメンを作るその動きに
いっさいの無駄がない。正確無比にラーメンを真剣につくり振る舞う。
お客はそのラーメンを無言で一心不乱に食べる。ただただ、、食べる。
余計な会話がいっさい存在しない。不思議な食う感、、。空間であった。
『最低3回たべてください。本当のおいしさがわかります。』
この言葉に嘘偽りはなかった。最低でもこの僕にとってはなかった。
シンプルであり、がっつりくえるボリュームの中にばりっと歯ごたえのある
山盛りもやし、そしてその本当のおいしさが隠された、、なんのうまみか
最後までつきとめられなかったうまみ、、甘みのある醤油だしのスープ。
そのスープにブレンドされるしつこくない豚の背油。
そのスープが極太のちぢれ麺にからまってめりはりのある味で襲って
くるのである。コントラストがはっきりしていて、、
男性的な味わいである。でも不思議と女性客が多い、、。
胃腸が弱っている時は最後まで食べるのにパワーがいる。
毎日食べたい訳ではないが、、ある周期で猛烈に食べたくなる吸引力を持っている。
そのパワーはすさまじい、、。あの独特のスープの味の調味料に
その秘密が隠されているはずである。単純明快なあの味、、
まさか、、科学調味料ではないと、、思うが、、
本当のおいしさは味わえたが、、おいしさの訳まで知る事ができなかった。
ゴールデンウィーク中に行ってみると
改装中の張り紙、、12日リニューアル、、、。
そして今日行ってみると、、ふむふむ、、
店、、こぎれいになりました。
ふむふむ、、なんか違いますね。
客が全然、、、少ない、、。
そして、、マスターがいない、、。
人が変わっている。いやな予感、、。
しかたない、、とりあえず、、頼むか、、。
いつものラーメン。、、、でてきた、、。
たべた、、やっぱり、、。
全然違う、、。

俺   『前のマスターどうしたの?』
新マス 『、、、やっめちゃった、、みたいですよ?』
俺   『やめた????、、、』
新マス 『はい、、』
俺   『、、、、、、、、、』

俺   『前の店と今の店ってなんか関係あんの?』
新マス 『、、なんで、ですか?、、』
俺   『いや、、店の名前は同じだけどさ、、味が全然ちがうからさ、、』
新マス 『俺、、入ったばっかでなんにもわかんないんすよね、、。』
俺   『、、、、、、、、、』

もうあの店は『暖々』でも『まるで別の暖々』になっていた、、。
マスターどこいっちまったんだ、、。
みんなきっと捜してるぜ、、。
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by mabatakishot | 2010-05-21 02:02 | near fields